福岡の小劇場、ぽんプラザホールで感染症対策をがっつりおこなって公演をしてみた話。



厳粛すぎる劇場の感染防止対策を笑って乗り切るソーシャルディスタンスエンターテイメント「無理ばっかり。」の第2弾公演がまもなくです。
今回は、9月19日(土)20(日)の2日間で4ステージやります。


2020年6月。
福岡でもようやく劇場が再開したのですが、利用にあたっては、人との距離は2m以上とる、激しい運動をする場合はマスクなしでも3mの距離をとるように。とのこと。

無理でしょ。

という難題を悲観すんな、おもしろがろうぜとむりばかおじさんこと、荒巻久登さんの呼びかけにより始まったこの企画。
やってみたら、本当に無理ばっかりで…。

前回公演(2020年7月)の演目に、劇団きらら池田美樹さん、あひるなちゃら関村俊介さん、劇団HAっHAー!!もりたかしさんの執筆の演目が増えました。
それに伴い、新たに増えたご無理にもどうぞご注目を。今回は、かなりのボリュームになっています。

チケット購入、詳細、応援はコチラから→https://peraichi.com/landing_pages/view/muribakkari
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書こうと思いつつ、膨大すぎて書ききれなかった、前回公演でのおこなった感染症対策を今更ですが記しておこうと思います。
別視点での対策はコチラ→https://note.com/muribakkari
(悲喜こもごもな感染症対策が、17回にわたってつづられています。)


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◆感染症対策~関係者編~
・マスクあり、ソーシャルディスタンスありの脚本を依頼
この春、稽古・本番でもマスクをつけなくてはいけないのか、ということに頭を悩ませた方も多いと思います。
むりばかでは、逆にマスク&ソーシャルディスタンスありのお芝居を上演する、というコンセプトでスタートしました。
途中で換気の時間がとれるよう、短編オムニバスという形になりました。
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(キャスト同士の距離がばっちりわかる舞台です)

・稽古期間2週間
稽古期間も、宣伝期間もありません。
とはいえ、当時は多くの現場がキャンセルとなり他の稽古も宣伝するところもないですし、なにかとギュギュっと詰め込んで集中してできた気がします。

・主な稽古場はzoom会議室
タイムラグがつらい。月末はデータ使用量にも気を使います。

・対面稽古で3人しか稽古場に入れない
ディスタンス確保のため、稽古場の定員も極端に少なくなってしまいました。広い部屋を借りて数人ずつ稽古するという形をとりました。
稽古場写真に複数人でうつりむのは至難の業。稽古してます、て感じの写真がとれません。

・会食できないので炊き出しなし
お弁当は各自用意してもらいました。

・当日仕込み、当日バラシ、終演後1時間半で退館
急遽確定した公演だったので、既に入っていた予約の隙間で平日の夜2日公演でした。

・折り込みしないので生で宣伝してもらう
ものの手渡しをなるべく避けるため、紙のパンフレットの配布、折り込み、挟み込みをおこないませんでした。
折込希望の方には、来場してもらって、作品と作品の間の換気タイムで宣伝してもらいました。

◆感染症対策~当日の来場者導線編~
・消毒のため、来場者入口を指定
ぽんプラザには入口が1階と2階に入口があり、エレベーターを使って4階のホールに行きます。
消毒導線を作るため、お客さんには1階から来場してもらう必要がありました。
ぽんプラザのエレベーターは1階-2階部分が一般通路となっていて、観客以外の方も利用します。
お客さんの導線は難しい課題ですが、この時は開場開始時刻がちょうど2階入り口が閉まるタイミングだったためなんとかなりました。

・入館時に消毒・検温をしてもらう(待ってる間はソーシャルディスタンスキープで)
人が集まるイベントや施設ではよく見る光景となりました。待ってもらう間も人と人との距離をとってもらうため床に足跡パネルを用意していましたが、なかなかこの通りに並んでもらうのは難しかったようです。
足跡マークにはkeep distanceと書かれているのですが、たまに違う言葉が混ざっています。
読んで歩くの楽しいです。私のお気に入りは、「マスクをするようになって、人見知りが少し治りました」です。
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・エレベーターの定員5人
行ったことのある方はご存知だと思いますが、ぽんプラザのエレベーターは搬入用とお客さん用が兼ねており超巨大。
そんな巨大エレベーターでもソーシャルディスタンスの影響をもろにうけ、定員はなんと5人。
そんな中で、最大限人同士の間隔を空けるため、乗るときのフォーメーションはサイコロ5でお願いしました。
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・4階まで階段を使ってもらう
エレベーターの往復時間は約2分。定員5人。どう考えても客入れが間に合いません。
可能な方は、なるべく階段を使ってもらうというお願いもしました。
2階までは余裕でも3階に向かう途中からハードになる魔の96段です。
お客さんにお願いしているからには、と自分も階段を使って往復していましたが、かなりきつい。
めげずに最後まで上ってもらえるよう、階段推奨委員会を開設。
96段の運動が楽しくなるよう、励ましのコメントを設置。呼んでくれた人はいるのかな。

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全部歩いて上ったら、こんにゃく136g分のエネルギーを消費するらしいです。
100カロリーって、0.1キロカロリーだけど…。

・恐怖のエレベーター音声案内
スムーズに入場できるよう、エレベーター内に音声案内を設置。
電子チケットを用意しておいてください、などの案内をぬいぐるみが喋る、というテイだったのですが、その声がなんか怖い。
しかも誰もいないエレベーターでひたすらぬいぐるみが喋り続ける、という恐怖のエレベーターと化していました。
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・目と目の会話を推奨
久々の公演です。ロビーで友人に再会して嬉しくなって、声をあげてしまいそうになる状況を想定して「目と目で会話しましょう」というお願い。声をあげる方はいませんでしたが、目と目での会話は…、無理でしたね。

・スタッフTシャツでご案内
劇場利用の感染症対策をかいたTシャツをきてお客さんをご案内。
ご案内をしながらも、お客さんにばっちり対策を呼び掛けることができる(わけない)Tシャツ。
販売もしました。
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◆感染症対策~お客さん編~
・チラシ作りません
そもそも折み込み(挟みこみ)できる公演がなかった。
SNSと口コミでの拡散頼りでした。

・パンフレットをお客さんにダウンロードしてもらう
すでに書きましたが、物の受け渡しをなくすため紙のパンフはなし。
QRコードを読み込んでパンフレットをダウンロードしてもらいました。

・来場できない方へ 心のリモート観劇
なんですかね、心のリモート観劇って。
使える客席数が半分という事態に、各劇場色々工夫をされているのを参考にさせてもらいました。
空席となってしまうお席には応援してくださるお客さんのお名前と顔写真、イラストペットなど、飾らせていただき、公演終了後は、舞台写真をお送りしました。
実際に来ることはできなくても顔写真があると、「あ!あの方が見に来てくれている」とテンションあがりました。
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・チケット購入、物販は全て事前決済
電子チケットが普及してきているのか、思ったよりもトラブルなく行えました。
これまで当日精算が当たり前だったので、こういう状況でないと事前決済のみという判断はできなかったので、試せてよかった。
やってみると、公演本番の時間帯にお金の計算と管理をしなくてよいのが楽!大金を持っておく必要がなくて気が楽!とってもよかったです。
当日支払う備品使用料を、その日の売りあげから出せないのでお金の準備は必要だけど、事前決済のみの受付は圧倒的に楽でした!
なんでも試してみるもんだ!

・終了後、2週間は体調に気を付けてもらう
万一、コロナに感染された方がいたら連絡をもらう、こちらからも連絡ができるようお客さんの連絡先を保管しておく必要がありました。

・公演前日に長文のご無理メールを送りつける
ここまで書いて、いやというほど実感します、感染症対策をとるのに、お客さんの協力なしでは、成り立ちません。
こんなご無理のオンパレードをお願いして、それでも来てくださることがありがたい!

しかしとにかくお願い事項が多い。書き出していると笑えてくるほど。
あきらめて、ものすご~くながいお願いメールを送らせていただいました。
1300文字くらいだったかな。私たちも文章確認をしながら読み飛ばしてしまうほど。読み切れた方いたら、盛大にほめたたえたいです。

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細かく上げていくともっとたくさんあるような気がします…。
自分たちもマスクつけて、お客さんと近くで接するスタッフはフェイスシールドつけて…。

コロナについてはまだまだわからないことがたくさんあるし、ふと、この対策って本当に意味あるの?なんて泣きたくなるし、消毒液のし過ぎでささくれから血が出るし、こんな対策とりながら芝居見に行くの辛いな~!と思うのですが、これだけ大量にあると途中から楽しくなってきました。
制作チームは、お客さんにいかに楽しく感染症対策をやってもらうか、深夜の作戦会議はゲラゲラ笑いながらやっていた気がします。
何かしら、制約が出てくる度に「お、今度はなんだ?」みたいな。

感染症対策がただただつらいものにならないように、真剣だけど楽しい対策。
毎日マスクをつけなくちゃいけない状況で、マスクをファッションとして楽しむ風潮がうまれたように、対策を楽しむことができるみたいです。

今週末の公演では、さらにたくさんの対策をとりながら作品をお届けします。
おかしな表現だけど、感染症対策を一緒に楽しんでください。

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